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【初心者向け】自作キーボードってなに?メリット・デメリットや魅力を解説!

皆さんこんにちは、アレくとーるです。

 

突然ですが先日、友人から質問がありました。

自作キーボードって興味あるけどどうやって始めたらいいの?

ってか自作キーボードって初心者に優しくなくない?

た、確かに・・・。

 

言われてみれば自作キーボードはまだまだニッチなジャンルです。

初めての方には電子工作の妖怪たちが跋扈する魑魅魍魎の世界に見えるかもしれません。

 

ですが自作キーボードの世界には思い思いの「こうだったらいいのに」を形にしたユニークなキーボードがたくさんあります。

あなたが今使っているキーボードに何らかの違和感や不満を覚えているならば、それは自作キーボードの世界に足を踏み入れるキッカケになるかもしれません。

 

そんな自作キーボードの世界に初めて触れる方のために、自作キーボードについて私なりに解説していきたいと思います。

今回は「そもそも自作キーボードって何?」というお話。

 

 

自作キーボードって何を指す言葉なの?

「自作キーボード」という言葉に明確な定義はありませんが、主に「メーカー(企業)ではない個人やチームが設計・開発したキーボード」の総称として使われることが多いと思います。

自作"キーボードと呼ばれるため設計や組み立てを自分で行うキット製品だけを指すように思いがちですが、実際には完成品でも個人製作のものは自作キーボードと呼ばれることが多いです。

同人キーボード、と呼ぶと一部の人にはわかりやすいかもしれません。

 

私がBOOTHにて頒布しているキーボードも私が個人で設計・製作した自作キーボードのひとつです。

alektor.booth.pm

 

ちなみに海外では一般的に "Custom Keyboard" と呼ばれているようです。

こちらの方が名称のイメージと実態が近いような気がしますね。

 

自作キーボードのメリット・デメリット

今どき安いキーボードなんてたくさん売ってるのに、なんで自作するの?と思ったそこのアナタ。

 

ごもっともです。

 

世の中には安くて品質のいいキーボードがたくさんあります。

でも自作キーボードの多くは既製品では満足できず「もっとこうだったらいいのに!」という想いが発端となって設計されています。

そんな"想い"が込められた自作キーボードたちには市販品にはないユニークな特徴やメリットが存在するのです。

 

メリット

  • 見た目や打鍵感(キーを押した時の感覚、感触のこと)を自分好みにカスタムすることができます。
    見た目と打鍵感を自分好みにしたキーボードはそれだけでタイピングを何段階も快適で楽しいものにしてくれます。
    職場に無駄にキーボードをカチャカチャしてる人いませんか?あれです。

    お気に入りの1台を使うと嫌な仕事もちょっとだけ楽しくなります(経験談
  • キーマップ(どのキーを押したら何が入力されるか、という設定)を自分好みにカスタムすることができます。
    「このキーがここにあったらいいのに」「このキー使わないんだよなぁ」という誰もが一度は思う不満点を簡単に解消することができます。
    複数キー同時押しの動作を1つのキーに割り当てることもできるので、例えばコピー/ペーストをそれぞれボタン1つで実行することもできたりします。

    コピペが一発で出来るので事務作業が捗る、一度使ったらやめられない
  • メーカー製品にはない独特な形状のキーボードが多数存在するため、自分に最適な1台が見つかる可能性があります。
    自作キーボードの世界には様々なキー配置のキーボードが存在するため、思いがけないキーボードがあなたの最適な相棒になるかもしれません。
    使ったことがない形状のキーボードを使ってみるのも、自作キーボードの楽しみのひとつです。

    キーが縦方向にズレた"カラムスタッガード"配列のキーボードの例

    キーが格子状に配置された"オーソリニア"配列のキーボードの例

デメリット

  • 価格が高い(1つのキーボードを組み立てるのに1~3万円ほどかかることが多い)
  • 自作キーボードの多くが組み立てを必要とするため、時間や手間がかかる
  • 製品の保証がない(基本的に個人設計・製作のため)*1
  • 工具などの初期投資が必要になる

 

超シンプルにまとめると「ユニークでカスタマイズ性も高い便利なキーボードなんだけど、とにかくコストがかかる」のが自作キーボードの実態です。*2

 

自作キーボードの魅力ってなに?

前述したように自作キーボードはとにかくコストがかかります。

それでも多くの人を惹きつけて已まないのは、やはり「カスタマイズ性」と「独自性」の高さが大きな魅力だからだと私は思います。

 

私はITエンジニアという仕事柄、一日の中でタイピングする時間が長く、長いこと両手首に腱鞘炎を患っていました。

趣味だったギターも弾けなくなり、職場では痛み止めのシップをして仕事をする毎日。

多分陰でシップマンとか呼ばれてたと思う。

少しでも腱鞘炎を和らげたいと毎日使うキーボードに着目し、そこで左右分割式キーボード、そして自作キーボードの世界を知りました。

左右分割キーボードは自然な姿勢でタイピングできて腱鞘炎を和らげることができる

 

自作キーボードの世界に初めて触れた時の衝撃は今でも忘れられません。

「本当にこんなキーボードでタイピングしてる人いるの!?マジで?!」と目を丸くしたことを覚えています。*3

 

本当に様々なキーボードが存在していて、これまでメーカー品しか知らなかった私にとって見るもの全てが新鮮でした。

自分だけのキーボード、カスタマイズ、LEDピカピカ…男の子がワクワクする要素が盛沢山な自作キーボードの世界にハマるには時間はいりませんでした。

増えていくキーボード、いわゆる沼

自分だけの最強のキーボード」が自作キーボードの大きな魅力だと私は思っています。

 

まとめ

自作キーボードの世界は一見すると敷居が高いように感じるかもしれません。

ですがキーボードを設計することも、組み立てることも、自作キーボードのひとつの要素にすぎません。

本当に大事なのはその自作キーボードを使うことで得られる"体験"だと私は思っています。

タイピングが楽しくなった、手の負担が軽くなった、所有欲が満たされた、もっと色んなキーボードに触れてみたくなった、コレクションしてみたくなった、そんな体験があなたを待っています。

 

興味があるなら、最初は組み立て済みの自作キーボードを購入するだけでもいいんです。

是非好みの自作キーボードに触れてみて、その"体験"を楽しんでいただければと思います。

 

そして願わくばあなたの最初の1台が、私の設計した自作キーボードだととても嬉しいなと思うのでした。

alektor.booth.pm

 

次回はもっと具体的に「自作キーボードを始めるにはどうすればいいの?」といった内容を解説していきます。
是非こちらも読んでいただけると嬉しいです。

alektor.hatenablog.com

*1:もちろん設計者が出来る範囲でサポートしてくれることは多いですが、流石に大手メーカーのようなサポートは期待できません

*2:個人の感想です

*3:40%の小型キーボードとかは今でもこれ使えるようになるのか?って思ってます、私には難しい・・・